築10年の点検で外壁塗装117万円の見積もり。まだ塗らないと決めた話

外壁塗装117万円の見積もりに困惑する男性(アイキャッチ) 守る

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築10年の定期点検で出てきたのは、外壁・屋根塗装 約117万円 の見積もりでした。

正確には 1,167,474円。家計にとって、軽自動車の新車が1台買える金額です。即決はせず、相場と「そもそも今塗る必要があるのか」を調べました。結果、わが家は まだ塗らない と決めました。その判断材料を、この記事に書きます。

築10年の点検で、外壁塗装117万円の見積もりが来た話

わが家は新築の引き渡し後、定期点検が標準で付いています。その10年目の点検をきっかけに、工務店から外壁・屋根塗装の見積もりが届きました(2024年3月)。

ちなみに同じ点検では、防蟻(シロアリ予防)15万円の見積もりも来ています。そちらの判断は別記事に書きました。

築10年の点検で防蟻予防15万円。相見積もりして見送った話

外壁塗装の見積もりは、合計 1,167,474円。主な内訳はこうでした。

項目数量・単価・金額
足場187,000円
外壁塗装(シリコントップ2回塗り)164.5㎡(1,500円/㎡)
屋根塗装(高圧洗浄・下地処理・シリコン)75.3㎡(1,600円/㎡)
コーキング打ち替え116m(950円/m)
合計(付帯部・諸経費込み)1,167,474円

※主な項目のみ抜粋

さすがに、この金額で即決の選択肢はありませんでした。ただ、では何と比べて高い・安いを判断すればいいのか。その物差しを持っていないことに気づきました。

そこでまず、相場を調べることにしました。

外壁塗装117万円は高い?相場と比べた結果

117万円は法外ではなかった

外壁塗装の相場は、家の大きさでざっくり決まります(2024年のWEB見積もり・ヌリカエ電話ヒアリングの実体験をもとに、2026年6月に各社公開情報で再確認した目安)。

延べ坪数外壁塗装の費用相場
20坪80万〜100万円
30坪90万〜110万円
40坪100万〜120万円

これは外壁のみの金額です。屋根塗装も同時に行う場合は、ここに20万〜30万円が上乗せされる、というのが目安でした。足場を1回で済ませられるので、別々にやるより安くなります。

わが家の見積もりは、外壁164.5㎡+屋根75.3㎡+コーキング全打ち替えまで込みで約117万円。外壁150〜170㎡は延べ床でいうとおおむね30坪前後の家に相当するので、この規模の「外壁+屋根」としては相場のレンジ内でした。

法外ではない。まずこれが分かっただけで、だいぶ冷静になれました。

塗料グレード次第で、同じ家でも価格は倍近く変わる

次に分かったのが、塗料の話です。外壁塗料にはグレードがあり、単価と耐用年数が大きく違います(2026年6月時点・目安)。

塗料単価の目安耐用年数の目安
アクリル1,000〜1,500円/㎡5〜8年
ウレタン1,500〜2,200円/㎡8〜10年
シリコン2,300〜3,000円/㎡10〜15年
ラジカル2,500〜3,300円/㎡12〜15年
フッ素3,500〜4,500円/㎡15〜20年
無機3,900〜5,500円/㎡20年以上

実は私は相場を知るために、見積もり比較サービスのヌリカエでWEB見積もりを申し込み、電話で相場の説明を受けました。わが家の条件で提示されたのは「最安70万円」。ただし聞けば、それは安い塗料を使ったパターンとのことでした。

つまり、117万円と70万円は同じ商品の値段差ではありません。同じ「外壁塗装」という名前でも、塗料が違えば中身が違うわけです。シロアリの相見積もりとまったく同じ構図でした。

良い見積書・悪い見積書の見方

一式表記の見積書と工程別の見積書の比較イラスト

相場を調べる過程で、見積書の見方も分かってきました。

注意したいのは、「外壁塗装工事 一式」のように金額がまとめられた見積書です。一式表記だらけだと、どの塗料を何㎡塗るのかが分からず、他社と比較のしようがありません。

その点、わが家に来た見積書は良いものでした。足場・洗浄・下地処理・塗装が工程ごとに行で分かれ、㎡単価×数量が明記されていたからです。塗装単価1,500円/㎡(シリコントップ2回塗り)、コーキング950円/m。ここまで書いてあれば、相場表と突き合わせて検証できます。

ひとつコツを書いておくと、相場表の㎡単価は洗浄や下塗り込みの表記が多い一方、工程別の見積書では塗装単価だけ見ると安く見えます。比べるときは「工程込みの合計」で見ると、間違いが起きにくくなります

国民生活センターも、点検をきっかけに不安をあおって契約を急がせる「点検商法」への注意を呼びかけています。その場で契約を迫る業者とは、その場で契約しない。これは金額以前の鉄則です。

そもそも築10年で外壁塗装は本当に必要?

相場は分かった。では、そもそも今塗る必要があるのか。ここが一番調べた部分です。

「築10年で塗装」は塗料の耐用年数の話で、家の状態の話ではない

「外壁塗装は10年ごと」とよく言われます。ただ、これは新築時によく使われる塗料の耐用年数がだいたい10年前後という話です。

前章の塗料グレード表のとおり、塗料の寿命はグレードで5年から20年以上まで幅があります。新築時にどのグレードが塗られたかで、塗り替え時期は前後します。「築10年=自動的に塗装」ではなく、家の状態で判断するものだと分かりました。

劣化サインは自分でチェックできる

外壁のチョーキングとひび割れをセルフチェックするイラスト

では家の状態はどう見るのか。代表的な劣化サインは3つです。

  • チョーキング:外壁を手でこすると白い粉が付く。塗膜の防水機能が切れかけたサイン
  • ひび割れ:幅0.3mm以上のひびは雨水が入りやすく要注意。髪の毛ほどの微細なひびは経過観察でOKとされることが多い
  • シーリング(コーキング)の劣化:目地のゴム部分のひび・剥離・痩せ

私は建設・設備業界で現場を見てきましたが、建物の劣化は「年数」より「症状」で見るのが基本です。外壁も同じでした。

わが家を一周して確認したところ、チョーキングはなし。ひび割れは微小なものがある程度でした。

FP視点①:外壁塗装は美観ではなく「防水機能の維持」

FPとして整理すると、外壁塗装の本質は見た目ではありません。塗膜という防水層を維持して、外壁材や下地を雨水から守ることです。

だから、こういう両面があります。

  • 塗膜が切れた状態を長く放置すると、下地まで傷み、塗装では済まず張り替えや補修で費用が跳ね上がるリスクがある
  • 一方で、劣化サインが出ていない段階で塗るのは、まだ機能している防水層を前倒しで塗り直すだけで、家の寿命は延びない

「放置すれば必ず家がダメになる」という煽りも、「10年経ったら塗らないと危ない」という決まり文句も、どちらも正確ではない。症状を見て、傷む前に動く。それだけの話です。

FP視点②:塗料は「年単価」で考えると景色が変わる

塗料の総額と耐用年数を天秤にかける年単価のイラスト

もうひとつ、FPらしい計算を書いておきます。塗装費用は総額ではなく、耐用年数で割った「年単価」で比べると判断しやすくなります。

試算例です(上の相場表の中間的な数字で計算)。

  • シリコンで総額100万円・耐用12年 → 年あたり約8.3万円
  • フッ素で総額130万円・耐用17年 → 年あたり約7.6万円

総額が30万円高いフッ素のほうが、年単価では安くなりました。つまり「総額が安い=得」とは限らないわけです。最安70万円の安い塗料パターンも、耐用年数が短ければ次の塗り替えが早く来ます。

相場と塗料の関係を自宅の条件で知りたい方は、WEB見積もりで数字をもらっておくと、判断の土台ができます。

外壁塗装の相場、わかります【ヌリカエ】

私が「まだ塗らない」と決めた理由

ここまでの材料を並べて、わが家は今回は塗らないと決めました。理由は4つです。

  • 劣化サインが乏しい:チョーキングなし、ひび割れは微小。防水機能はまだ生きていると判断
  • 117万円という金額と仕様の妥当性に納得できた:高いから見送ったのではなく、相場内と分かったうえで「今ではない」と判断できた
  • 年単価で見れば、急いで塗る理由がない:サインが出る前の塗装は維持費の前倒し。前倒しするほど生涯の塗装回数が増える
  • 予算どりは完了した:いずれ100万円超の出費が来ると分かり、家計に組み込めた。いざ必要になったとき、すぐ動ける

誤解のないように書いておくと、塗らない=放置ではありません。劣化サインは自分でチェックできるので、これからは年に1回、家を一周して外壁を見ていきます。チョーキングが出たら、そのときが動くタイミングです。

FPとして言えるのはひとつ。言い値とタイミングの両方を、自分で決められる状態にしておくことです。相場を知り、症状を知れば、それができます。

まず自宅の相場を知りたいなら

ここまで読んで、「うちの場合はいくらなんだろう」と思った方へ。

相場表はあくまで一般論です。判断材料になるのは、自宅の条件での数字。私はヌリカエのWEB見積もりで「わが家なら最安70万円」という数字をもらい、工務店の117万円と並べて考えることができました。

ヌリカエで外壁塗装の適正価格をチェック

このWEB見積もりは、入力4項目・無料です。私のように予算どり目的でもよく、見積もりをもらって施工しなくても問題ありません

ひとつ正直に書いておくと、申込後は電話でのヒアリングがあります。私のときも電話でした。電話で要望を伝えたうえで、相場や業者を案内してくれる仕組みです。丁寧に相談できる反面、電話が苦手な人には不向きだと思います。

なお、自治体によっては外壁塗装に助成金が出る場合があります。お住まいの自治体の制度もあわせて確認してみてください。

まとめ

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 築10年の点検で来た外壁・屋根塗装117万円は、相場を調べたら法外ではなかった。ただし塗料グレード次第で、同じ家でも価格は倍近く変わる
  • 「築10年=塗装」ではなく、チョーキング・ひび割れ・シーリングの症状で判断する。わが家はサインが乏しく、納得して「まだ塗らない」を選んだ
  • 塗料は総額ではなく年単価で比べる。総額が安い塗料が得とは限らない

外壁塗装そのものを否定するつもりはありません。防水機能を守る、必要な工事です。

ただ、点検の流れで来た見積もりを、言い値とそのタイミングで契約する必要はない。言い値とタイミングは、自分で決める。これだけは自信を持って言えます。

そのための第一歩は、自宅の条件で相場を知っておくことです。

外壁塗装の相場チェック【ヌリカエ】

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