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新築10年目の定期点検。そこで提示された防蟻(シロアリ予防)の見積もりは、約15万円でした。
そこで相見積もりを2社から取ったところ、どちらも約8万円。最終的に今回の施工は見送りました。相見積もりは値切るためではなく、納得して決める(あるいは納得して見送る)ための判断材料です。この体験を、同じように点検で防蟻の見積もりが来た方へ書きます。
新築10年目、工務店の提携業者から防蟻予防の見積もりが来た話
わが家は新築の引き渡し後、工務店が提携する第三者機関による定期点検が標準サービスで付いています。タイミングは2.5年・5年・7.5年・10年の計4回です。
その10年目(最終)の点検のときでした。床下のチェックとあわせて、防蟻予防の見積もりが提示されたんです。
金額は約15万円。

正直、固まりました。高いのか、妥当なのか、判断する材料が何もない。シロアリ予防の妥当な金額なんて、それまで考えたこともありませんでした。
「点検してもらった流れだし、このままお願いするか…」という空気になりかけました。でも15万円は決して小さい金額ではありません。即決せず、いったん持ち帰って相見積もりを取ることにしました。
相見積もりを取ったら分かったこと
追加で取った見積もりは2社です。
- ネットで見つけた業者:約8万円
- 地元のシロアリ業者:約8万円
最初の15万円とくらべて、ほぼ半額。この時点で「やっぱり提携業者はぼったくりか!?」と思いました。が、実際はそう単純な話ではありませんでした。
提携業者が特別高いわけではなかった
相見積もりの内容をよく見ると、業者によって取り扱う薬剤や工法がそれぞれ違っていたんです。
つまり15万円と8万円は、同じ商品の値段差ではありませんでした。同じ「シロアリ予防」という名前でも、業者ごとに扱う薬剤が異なるため、中身(仕様)が違うものを比べていたわけです。

提携業者が法外に高いわけではない。これは相見積もりを取ったからこそ納得できたことでした。1社の見積もりだけでは、その金額が高すぎるのか妥当なのかの判断すらつきません。
相見積もりの価値は、安くすることだけではありません。出てきた金額に納得して決める(あるいは納得して見送る)ための判断材料になることです。
工法・薬剤で同じ面積でも価格が倍近く変わる
シロアリ予防の工法は、大きく2つあります。
| 工法 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| バリア工法 | 床下に液剤を散布 | 即効性が高い。薬剤を使うため換気が必要 |
| ベイト工法 | 毒餌を設置 | 即効性は低い。薬剤散布なしでペット・子どもに優しい |
費用の目安も書いておきます。シロアリ「予防」の費用相場は、30坪(約99㎡)でおおむね8〜15万円です。予防のバリア工法は、おおむね1㎡あたり1,000〜1,500円程度(坪あたり約3,300〜5,000円)が中心ですが、大手や薬剤グレードによっては坪6,000円超(30坪で20万円前後)になることもあります。
※工法・薬剤・地域・建物の状態で変動します。あくまで目安です。なお、駆除(被害が出た後の工事)はこれより高くなる傾向があります。「予防」と「駆除」では相場が別物なので、調べるときは混同しないようご注意ください。
相見積もりは1〜2社で十分
相見積もりは何社取ればいいか、という話も書いておきます。
私は3社に依頼しましたが、正直1〜2社で十分だと思います。
理由は、業者ごとに床下点検が必要だからです。1回あたり1〜2時間。3社分こなすと、かなり疲れます。しかも結局、相場はそれほど変わりませんでした。
1社目で相場のあたりをつけて、2社目で確認する。それで十分な判断材料は揃います。
私はネットで見つけた業者と地元業者で相見積もりを取りました。いま同じようにネットで探すなら、【シロアリ110番】
のようなサービスを相見積もりの一社に加えるのも手軽です。
1,320円/㎡の全国一律料金(66㎡以下は一律88,000円)と明朗会計で、見積もりもキャンセルも無料です。
料金が全国一律で公開されている業者が1社あると、他社の見積もりが高いのか安いのか、ものさしになります。
そもそも防蟻予防って本当に今すぐ必要?
相見積もりを取る過程で、地元の業者さんから聞いた話をきっかけに、自分でも資料を調べて考えてみました。結果的に、これが一番の収穫だったかもしれません。分かったことを順に書きます。
予防施工しても100%は防げない
シロアリ予防の施工をしても、シロアリの侵入を完全に防げるわけではありません。
薬剤の効果は5年を目途に低下するとされています(日本しろあり対策協会の防除施工標準仕様書に基づく)。薬剤でバリアを張っても、わずかな隙間から侵入されるケースはあります。「予防したから絶対安心」ではないわけです。
定期的な床下点検で早期発見できれば、駆除で対処できる
仮に被害が出ても、定期的な床下点検で早期発見できれば、駆除で対処できます。
参考になる数字があります。国土交通省の補助事業による「シロアリ被害実態調査報告書」(2013年・日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合・5,322棟を調査)では、防蟻処理の保証が切れたあと再施工していない住宅でも、築10年未満の被害発生率は5%程度でした(出典:調査実施団体による解説ページ)。「予防していない=手遅れになる」わけではなく、床下の状態を定期的にチェックして早く気づける体制があるなら、被害が出てから対処する選択肢もあるわけです。
※シロアリの種類や地域によって、被害の進行速度は異なります。
防蟻予防の本当の価値は「5年間の賠償保証」|FPが期待値を計算してみた
では、予防施工の意味は何でしょうか。私は、主な価値は施工に付いてくる「5年間の賠償保証」にあると考えています。
防蟻処理をすると、業者から5年保証が付くのが一般的です。これは薬剤の有効期間が約5年だからです。保証の中身は主に2つ。
- 保証期間中にシロアリが再発した場合の無償再施工
- シロアリ被害で建物が損傷した場合の修復費用の賠償
賠償の上限は500万円が業界の標準的な水準で、業者や薬剤グレードによって300万〜1,000万円の幅があります。
防蟻予防を「保険商品」として見ると、こういう計算になります。
- 保証内容:5年間、最大500万円の修復費用を賠償
- 保険料:5年で8〜15万円(年換算で約1.6〜3万円)
- 被害発生率:防蟻処理の保証が切れたあと再施工していない住宅でも、築10年未満で5%程度(前述の国交省データ)
期待値で計算してみます。仮に被害がすべて上限の500万円規模だとしても、500万円×5%=期待損失25万円。実際には軽微な被害で済むケースも多いため、本当の期待損失はこれより小さくなります。これに対して保険料は5年で8〜15万円。明らかに損な保険ではないものの、誰にとっても割に合うとまでは言えない、微妙なラインです。

つまり防蟻予防は「虫よけ」というより、万一のときの修復費を業者が肩代わりしてくれる保証を買う側面が大きいわけです。この見方ができてから、15万円・8万円という金額の意味がだいぶ変わって見えました。
保証の仕組みと注意点
ひとつ注意したいのは、この賠償保証の出どころです。
この保証は、保険会社から直接入る保険ではなく、施工業者と結ぶ契約です。業者が賠償責任保険をかけて賠償に備えているケースも多いのですが、保証の窓口はあくまで業者。その業者が倒産すれば、保証は実質的に機能しなくなるおそれがあります。
5年間の保証を期待して施工するなら、価格だけでなく「5年後もその会社がありそうか」も見ておきたいポイントです。創業年数や運営会社の規模は、保証の信頼性に直結します。
予防には「保証付きの安心を5年買う」という価値がある。一方で完璧ではないし、業者選びしだいで保証の重みも変わる。アフターサポート5年保証 シロアリのことならシロアリ110番
のように保証内容を明示しているサービスで、保証の中身を見積もり時に確認しておくと比較しやすくなります。
私が今回施工を見送った理由
ここまでの材料を並べて、わが家は今回の施工を見送りました。
5年目は何も考えずに払った。10年目はFPの目線で計算した
実は、5年目の点検のときは、特に疑問も持たずに提携業者で約15万円の防蟻施工をしています。勧められるまま、提示された金額で契約しました。10年目に再び見積もりが来たのは、そのときの薬剤の効果と保証(約5年)がちょうど切れるタイミングだったからです。
では、なぜ今回は同じ判断をしなかったのか。この5年のあいだにFP(ファイナンシャルプランナー)の勉強をして、保険や保証を費用対効果で考える視点が身についていたからです。前の章に書いた期待値の計算は、5年前の私にはできませんでした。
統計の数字と「わが家の数字」は別もの
前の章で書いたとおり、防蟻予防はぼったくりとは言えないが、誰にでも割に合うとも言えない保険です。
答えを分けるのは、自分の家の個別の事情。わが家の場合はこうでした。
- 築10年の床下チェックで、シロアリ被害の兆候はなかった
- 今後も定期的に床下の状態を確認していける(点検の習慣をつくる)
- 予防施工をしても100%防げるわけではなく、早期発見できれば駆除で対処できる
- 相見積もりで金額と仕様の妥当性に納得できたからこそ、「やらない」も自信を持って選べた
約5%という被害発生率は、「保証が切れたあと再施工していない住宅」全体の平均値です。再施工しないわが家も、この統計の母集団に入ります。
ただし、兆候がなく、床下を定期的に確認できるわが家の個別の発生確率は、平均より低いはず。期待損失が下がれば、同じ保険料でも割に合わなくなります。
だから今回は見送る。これがわが家の結論です。
これは『予防がムダ』という話ではありません。床下の状態や環境しだいで答えは変わります。ただ、点検の流れで来た見積もりを、その場で即決する必要はない。判断材料に納得できているなら、『今回は施工しない』という選択も十分アリです。
ひとつ注意点があります。わが家の定期点検は10年目が最後。今後は標準の点検が付かなくなるので、床下の状態は自分で気にかけていく必要があります。数年おきに床下の状態を確かめる機会をつくりながら、必要になったらあらためて考えるつもりです。
それでも「まず現状を知りたい」なら無料の床下診断を
ここまで読んで、「うちは床下の状態すら分からない」という方もいると思います。
その場合、やるかやらないかを悩む前に、まず現状を知ることが先です。床下にシロアリの兆候があるかないかで、答えは全く変わるからです。
シロアリの被害が心配ならシロアリ110番まで
なら、床下診断と見積もりが無料で、キャンセルも無料です。24時間365日受付で、日本しろあり対策協会の標準仕様書に準拠した施工、保証は最長10年とされています。
診断を受けたからといって契約する義務はありません。「現状を知る入口」として無料診断を使い、出てきた見積もりを他社と比べればいいわけです。
一点、正直に書いておくと、シロアリ110番は全国280社以上の加盟店を紹介するマッチング型のサービスです。自社で施工するわけではないので、地域の加盟店によって対応に差が出る可能性はあります。
だからこそ、ここでも結論は同じです。1社の話だけで決めず、複数の見積もりを並べて比べること。シロアリ110番は全国一律料金という「ものさし」になるので、比較の起点としては使いやすいと思います。
まとめ
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 相見積もりを取ったことで、提携業者の見積もりが法外ではないと納得できた。業者によって薬剤・工法が違い、同じ面積でも価格は倍近く変わる。
- 防蟻予防は「5年間の賠償保証(上限500万円程度)を買う保険」として見ると、明らかに損な保険ではない。ただし割に合うかは家の状態しだいで、完全予防ではなく、業者自身の保証なので倒産リスクもある。
- わが家は被害の兆候がなく個別の発生確率は平均より低いと判断し、今回は見送った。今後は自分で床下を気にかけながら、必要になったらあらためて考える。
防蟻予防そのものを否定するつもりはありません。保証という価値は確かにあります。
ただ、言い値で即契約する必要はない。これだけは自信を持って言えます。
1社の見積もりだけでは、その金額が高すぎるのか妥当なのかは判断できません。相見積もりは値切るためではなく、納得して決める(あるいは納得して見送る)ための判断材料です。私自身、相見積もりを取ったからこそ「最初の見積もりは法外ではない」と納得でき、見送るという選択にも自信が持てました。
無料の床下診断や相見積もりはタダで取れる判断材料です。まずは複数の見積もりを並べて、自分の家にとっての「妥当」を見つけてください。そのうえで、「この保証は保険として割に合うか」という目線で考えてみてください。
